「本籍地が遠くて役所に行けない」「平日は窓口が開いている時間に動けない」——そんなとき、住民票の写しや戸籍謄本は郵送で取り寄せられます。ただ、同封するものや手数料の払い方は自治体ごとに少しずつ違い、書類が足りないと返送されて日数がかかります。この記事では、東京都・神奈川県の6自治体の郵送請求の案内と法務省の案内を2026年10月2日に確認し、共通する手順と自治体による違いをまとめました。

  • 住民票の写しは住民登録をしている市区町村、戸籍証明書は本籍がある市区町村に請求する。今の住所と本籍地が違う場合は、送り先の役所も別になる
  • 同封するのは「請求書」「本人確認書類の写し」「手数料」「返信用封筒」の4点。手数料は郵便局の定額小為替が基本で、クレジットカード・オンライン決済・現金書留を使える自治体もある
  • 返送先は原則として請求する人の住民登録地。届くまでの日数は、確認した自治体の案内で1週間〜10日程度

住民票と戸籍証明書は、どこに請求する?

住民票の写しは住民登録をしている市区町村の役所、戸籍謄本などの戸籍証明書は本籍がある市区町村の役所に郵送します。

郵送請求の宛先は、証明書の種類で決まります。北区の戸籍の郵送請求の案内は、対象を北区に本籍がある方に限っています(出典: 北区「戸籍の郵送請求」)。たとえば「北区に住んでいて、本籍は地方の実家」という方は、住民票は北区へ、戸籍謄本は本籍地の市区町村へ、それぞれ別の封筒で請求することになります。

本籍地がわからない場合は、本籍の記載を入れた住民票の写しを先に取ると確認できます。北区の案内では、戸籍の請求書に本籍と筆頭者の氏名を書く欄があり、これがわからないと請求書を書けません(出典: 北区「戸籍の郵送請求」)。

住民票・戸籍証明書を郵送で取り寄せる流れを、送り先を決める・4点を同封する・届くのを待つ、の3段階で示した図

封筒には何を入れる?

請求書・本人確認書類の写し・手数料・返信用封筒の4点です。確認した6自治体とも、この4点をそろえるよう案内しています。

同封するもの確認した案内での書き方
請求書自治体の郵送用請求書を印刷して記入。北区・小金井市は、様式がなくても便箋やメモに必要事項を書けば受け付けると案内
本人確認書類の写し運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなどの写し。藤沢市は「氏名・住所・生年月日・有効期限が載っている面」と指定
手数料定額小為替など。払い方は次の章の表を参照
返信用封筒切手を貼り、送付先の住所と氏名を書いたもの

請求書には、使い道と提出先、日中に連絡のつく電話番号を書く欄があります。北区は、住民票の写しについて世帯全員か一部か、続柄や本籍の記載が必要かどうかも記入するよう案内しています(出典: 北区「本人等が住民票の写し等を郵送請求する場合」)。提出先から「本籍の記載があるもの」「世帯全員のもの」などの指定がある場合は、その条件を請求書に書き写しておくと、取り直しを防げます。

マイナンバーカードの写しを入れるときは表面だけにします。北区の戸籍の郵送請求の案内でも、本人確認書類の例として「マイナンバーカードの表面」を挙げています(出典: 北区「戸籍の郵送請求」)。

手数料はどうやって払う?

基本は郵便局で買う定額小為替です。自治体によっては、クレジットカード・オンライン決済・現金書留も使えます。世田谷区は現金・切手・収入印紙、厚木市は現金、北区(戸籍)は切手・収入印紙での支払いを受け付けないと明記しています。

自治体住民票の写し(1通)払い方定額小為替の期限
渋谷区200円クレジットカード決済、または定額小為替発行から6か月以内
北区300円定額小為替発行から6か月以内
世田谷区300円定額小為替(無記名)のみ。現金・切手・収入印紙は不可記載なし
小金井市400円オンライン決済、または定額小為替(指定受取人欄は空欄)発行日から5か月20日以内
藤沢市300円定額小為替、または現金書留発行日から5か月を超えないもの
厚木市300円定額小為替。現金の郵送は不可発行日から5か月20日を越えないもの

(出典: 渋谷区「住民票関係の郵送請求」、北区、世田谷区「住民票の写し・住民票記載事項証明書の請求方法(郵送)」、小金井市「郵送による証明書(戸籍・住民票等)の取り寄せ」、藤沢市「郵送による請求(住民票・戸籍謄本等)」、厚木市「郵送による住民票の請求(個人請求用)」)

渋谷区の200円は、郵送などの来庁しない請求向けに減額された金額です。区は2021年1月1日から、郵送請求の住民票などの手数料を300円から200円に下げています(出典: 渋谷区「発行手数料の減額変更(非来庁型の住民票など)」)。

小金井市のオンライン決済は、先に市の案内のリンク先から申し込み、発行された「請求番号」を印刷して封筒に同封する方式です(出典: 小金井市)。決済だけ済ませて請求番号を入れ忘れると、どの支払いか役所側で照合できません。

定額小為替の期限の書き方は「6か月以内」「5か月20日以内」「5か月を超えないもの」と自治体で分かれます。手元に古い定額小為替がある場合は、発行日を見て送り先の自治体の条件に収まるかを確かめてから使ってください。

戸籍謄本の手数料は?

確認した北区・小金井市・藤沢市では、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)は1通450円、除籍謄本は1通750円です。

戸籍証明書の手数料は、住民票の写しより高く設定されています。北区の戸籍の郵送請求では、戸籍全部事項証明書・個人事項証明書が各450円、除籍全部事項証明書と改製原戸籍が各750円です。支払いは定額小為替のみで、切手や収入印紙は使えません(出典: 北区「戸籍の郵送請求」)。小金井市・藤沢市の郵送請求の案内でも、戸籍謄本は450円、除籍は750円です。小金井市は改製原戸籍も750円と案内しています(出典: 小金井市、藤沢市)。

相続の手続きなどで、生まれてから亡くなるまでの戸籍を集める場合は、除籍謄本や改製原戸籍が何通必要になるかを事前に数えるのは難しいことがあります。必要な通数がわからないときは、請求先の役所に電話で相談してから定額小為替を用意すると、不足による再送を避けられます。

返送先は自由に選べる?

原則として、請求する人の住民登録地にしか送ってもらえません。勤務先などに送ってほしい場合は、追加の書類を求める自治体があります。

渋谷区は返信用封筒のあて先を「住民登録地のみ」としています(出典: 渋谷区)。北区も、住民登録している住所宛てにしか送付できないと案内しています(出典: 北区)。世田谷区も送付先を本人の住民登録地としています(出典: 世田谷区)。

例外の扱いは自治体で違います。小金井市は、勤務先への送付を希望する場合に「勤務先所在地及び当該勤務先に所属していることを証する資料」を求めています(出典: 小金井市)。藤沢市は、居住地以外へ送る場合に社員証や公共料金の領収書の写しなどの追加書類を求めています(出典: 藤沢市)。

引っ越し直後で、住民登録の住所と実際に住んでいる場所がずれている時期は注意が必要です。返送先を住民登録地に限る自治体では、転入届を出す前の新しい住所には送ってもらえません。転入・転出の届出の期限と順番は、引っ越しの役所手続きはいつまで?で整理しています。

届くまで何日かかる?

確認した自治体の案内では、1週間〜10日程度です。藤沢市は、3月〜5月の繁忙期は2週間程度かかると案内しています。

自治体日数の目安(案内の記載)
渋谷区(住民票)約10日間
世田谷区(住民票)約10日
小金井市1週間から10日程度
藤沢市通常1週間程度、繁忙期(3月〜5月)は2週間程度
北区(戸籍)約1週間
厚木市(住民票)日数の記載なし。日数に余裕をもって請求するよう案内

(出典: 各自治体の郵送請求の案内。リンクは記事末尾の出典一覧を参照)

この日数には、往復の郵便の日数も含まれます。提出期限がある書類に使う場合は、期限から2週間以上前に投函する計画にしておくと、書類の不備で一度戻ってきても間に合わせやすくなります。急ぐ場合は、窓口で受け取るか、マイナンバーカードを使ったコンビニ交付が使えるかを確認します。コンビニ交付で取れる証明書と手数料は、住民票・印鑑証明書はコンビニで取れる?にまとめています。

本籍地以外の役所で、戸籍謄本を郵送で頼める?

頼めません。2024年3月1日から本籍地以外の市区町村でも戸籍証明書を請求できるようになりましたが、この「広域交付」は窓口に本人が行く場合に限られ、郵送や代理人による請求はできません。

法務省の案内によると、広域交付を使えるのは本人・配偶者・父母や祖父母(直系尊属)・子や孫(直系卑属)で、戸籍担当窓口に来庁して請求する必要があります。一部事項証明書と個人事項証明書(いわゆる戸籍抄本)は広域交付の対象外です(出典: 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」)。

使い分けは次のとおりです。

状況使える方法
本籍地が遠く、役所に行く時間もない本籍地の役所へ郵送で請求
本籍地は遠いが、近くの役所の窓口には行ける近くの役所で広域交付(戸籍謄本のみ。戸籍抄本は対象外)
本籍地の戸籍がコンビニ交付に対応しているマイナンバーカードでコンビニ交付(対応は本籍地の自治体ごとに異なる)

マイナンバーカードを使う方法を選ぶ場合は、カードの電子証明書が有効期限内かも確認しておきます。期限の見方と更新の手続きは、マイナンバーカードの電子証明書、更新はいつ必要?で説明しています。

自分の自治体の請求先はどこで確認できる?

自治体公式サイトで「住民票 郵送」「戸籍 郵送」と探すと、請求書の様式・宛先・手数料が1ページにまとまっています。宛先の担当部署名まで書き写して送ります。

郵送請求の宛先は、住民票と戸籍で担当部署や住所が分かれている場合があります。北区は、住民票は「戸籍住民課 住民票郵送請求担当」宛て、戸籍は戸籍住民課戸籍係宛てと、案内ページごとに宛先を分けています(出典: 北区(住民票)、北区(戸籍))。同じ封筒に住民票と戸籍の請求をまとめる前に、両方の宛先が同じかを確認してください。

くらしぽーたるの地域別ガイドでは、渋谷区・北区・世田谷区・小金井市・藤沢市・厚木市などの手続き窓口と、自治体公式の確認先をまとめています。そのほかの地域はくらしの手続きガイドから選べます。

投函する前に、次の5点をそろえたかを確かめてください。

  1. 宛先は、住民票なら住民登録地、戸籍なら本籍地の役所になっている
  2. 請求書に、必要な証明書の種類・通数・使い道・日中の連絡先を書いた
  3. 本人確認書類の写しを入れた(マイナンバーカードは表面だけ)
  4. 手数料を、送り先の自治体が認める方法で必要な金額分そろえた
  5. 返信用封筒に切手を貼り、住民登録地の住所と氏名を書いた

本記事の内容は、2026年10月2日に各自治体と法務省の公式サイトで確認した情報です。手数料や受付方法は変わることがあるため、請求する前に送り先の自治体の公式サイトで最新の案内を確認してください。