「保育園の申込書類に就労証明書が要るけれど、誰に頼めばいいの?」「学童の申込にも同じものを使える?」——2027年4月からの入園・入会の申込は、今回確認した自治体では2026年10月から受付が始まっています。就労証明書は勤務先に書いてもらう書類なので、自分だけでは仕上がらず、締切直前に慌てやすい書類です。この記事では、こども家庭庁と、港区・江東区・練馬区・横浜市の公式案内を2026年11月3日に確認し、共通する流れと自治体による違いをまとめました。

  • 就労証明書は勤務先(就労先の事業者)が作成する。国が標準的な様式を示しており、市区町村は原則これを使うことになっている
  • 「締切日から3か月以内に発行」(港区)、「発行日から3か月以内」(練馬区の学童クラブ)のように、発行日の条件を決めている自治体がある。早く頼みすぎても遅すぎても使えない場合がある
  • 学童クラブは保育園と別の様式を指定する区がある(練馬区は区の学童クラブ用の様式)。自営業の場合は、確定申告書の写しなど仕事の実態がわかる書類を添える

就労証明書は誰が書く?

勤務先が書きます。保護者は様式を勤務先に渡して作成を頼み、できあがった証明書を申込書と一緒に提出します。

横浜市は、従業員から保育所入所などに使う就労証明書の作成を依頼された事業者に向けて、記入方法を案内しています(出典: 横浜市「横浜市へ提出する就労証明書について」)。自分で書き込んで済ませることはできません。こども家庭庁が示す標準的な様式には、就労先事業者等に無断で作成したり改変したりすると刑法上の罪に問われる場合があると書かれています(出典: こども家庭庁「『就労証明書』に関する情報」 に掲載の標準的な様式)。練馬区も、就労証明書を就労先に無断で作成したり内容を書き換えたりすると、有印私文書偽造罪などに問われることがあると注意しています(出典: 練馬区「令和9年度学童クラブ入会申請書類」)。港区も、押印がない証明書でも無断で作成・改変すれば罪が成立し得ると案内しています(出典: 港区「入園申込みに必要な書類(令和9年度入園申込み)」)。

勤務先の人事・総務の担当者が作成するまでに日数がかかることもあります。申込期間がわかったら、まず勤務先にいつまでに必要かを伝えておくと、締切に間に合わせやすくなります。

就労証明書を用意して提出するまでの流れを、様式を確かめる・勤務先に依頼する・期間内に提出する、の3段階で示した図

様式はどこで手に入る?国の様式と自治体の様式の違いは?

提出先の市区町村の公式サイトや窓口で配布されます。保育園の申込には国の標準的な様式が原則使われますが、自治体独自の様式を併せて用意しているところや、学童クラブ用に別の様式を指定するところもあります。

こども家庭庁は、保育所などの利用調整で使う就労証明書の標準的な様式を示しています。子ども・子育て支援法施行規則を改正する内閣府令(令和6年内閣府令第84号)が2024年9月30日に公布・施行され、標準的な様式を原則として使うことが定められました(出典: こども家庭庁「『就労証明書』に関する情報」)。こども家庭庁の事務連絡では、2025年度(令和7年4月入所分)の利用調整からこの様式を使うよう市区町村に求めています(出典: こども家庭庁 事務連絡「就労証明書の標準的な様式について(周知)」(2024年7月19日))。

ただし、どの様式を受け付けるかは提出先で確かめる必要があります。確認した自治体の扱いは次のとおりです。

自治体・申込先案内されている様式
横浜市(保育所等)横浜市の審査で使わない項目・重要な項目を示した「横浜市」版と、国が定める標準的な様式の2種類。どちらで提出してもよい
港区(認可保育園等)区のページで就労証明書(PDF・エクセル)と記載要領・記入例を配布
練馬区(学童クラブ)区の学童クラブ用の様式(第2号様式)。PDFとExcelを配布

(出典: 横浜市、港区、練馬区)

保育園と学童クラブに同じ年に申し込む家庭では、それぞれの申込先が指定する様式を確認します。練馬区の学童クラブのように、区の学童クラブ用の様式を指定している場合は、保育園用に書いてもらった証明書をそのまま使えるとは限りません。勤務先に依頼するときに2種類まとめて渡せば、往復の手間を減らせます。

いつまでに用意する?発行日の条件は?

申込の締切までにそろえます。港区は「締切日から3か月以内に発行されたもの」、練馬区の学童クラブは「発行日から3か月以内のもの」と、発行日の条件を決めています。

2027年4月からの入園・入会について、確認した自治体の受付期間と発行日の条件は次のとおりです。

自治体・申込先4月入園・入会の受付期間(一次)就労証明書の発行日の条件
江東区(保育園等)郵送・電子申請は2026年10月13日〜11月19日(郵送は必着)。追加書類は12月2日必着このページでの記載なし(入園のしおりで確認)
港区(認可保育園等)このページでの記載なし締切日から3か月以内に発行されたもの
練馬区(学童クラブ)2026年10月19日〜11月13日(オンライン申請は24時間)発行日から3か月以内のもの
横浜市(保育所等)一次は2026年10月1日〜10月28日で終了。二次は2026年12月23日〜2027年2月2日このページでの記載なし

(出典: 江東区「令和9年度保育園等入園の申込み手続きについて」、港区、練馬区「令和9年度(令和9年4月入会)学童クラブ入会申請について」、横浜市港北区「令和9年度4月保育所等の利用申請を希望する方へ」)

横浜市港北区は、就労証明書など就労先に書いてもらう書類だけを、利用申請の様式より先に2026年9月4日から配布していました(出典: 横浜市港北区)。勤務先での作成に時間がかかることを見込んだ扱いです。

発行日の条件がある自治体では、夏に書いてもらった証明書が締切の時点で期限を過ぎてしまうことがあります。様式が年度ごとに変わる場合もあるため、横浜市港北区は年度によって様式が異なると注意しています。申込の年度の様式で、発行日が条件に収まる時期に依頼してください。

勤務先に頼むとき、何を伝えればいい?

提出先の自治体名、使う様式、提出の締切の3点です。勤務時間や日数は、雇用契約で決まっている日数・時間で書いてもらいます。

横浜市は、就労時間の欄に実績ではなく雇用契約に基づく就労日数と就労時間を書き、合計時間と就労日数は必ず記載するよう勤務先に求めています。育児のための短時間勤務を使っている場合は、変更前の日数・時間を書いたうえで、短時間勤務の内容を別の欄に書く扱いです(出典: 横浜市「横浜市へ提出する就労証明書について」)。

ほかに、確認した自治体の案内には次の注意がありました。

  • 押印: 港区は、就労証明書の押印は必須ではなく、電子署名を持つ企業は電子署名で代えられると案内している(出典: 港区)
  • きょうだいで同時に申し込む場合: 横浜市は、きょうだいの人数分をコピーして提出するよう案内している(出典: 横浜市)
  • 記入の確認: 横浜市は、証明書に書かれた記載者の連絡先に内容を確認することがあるとしている(出典: 同上)
  • 勤務表: 練馬区の学童クラブは、就労証明書とは別に、保護者が作成する「1か月の標準的な勤務等表」を勤務形態にかかわらず全員に求めている(出典: 練馬区)

勤務先に様式を渡すときは、記載要領や記入例も一緒に渡すと、書き直しの依頼が減ります。港区・横浜市は記載要領を、横浜市は固定就労・変則就労・自営業などの記載例も公開しています。

自営業・フリーランスの場合はどうする?

確認した港区・練馬区では、自営業でも就労証明書を出したうえで、確定申告書の写しや開業届など、仕事をしていることがわかる書類を添えます。何を何点出すかは自治体で違います。

自治体・申込先自営業の場合に求められるもの
港区(認可保育園等)就労証明書に加え、「仕事の実態が分かるもの」として確定申告書・登記事項証明書・開業届・営業許可書・請負契約書・通帳などから1点
練馬区(学童クラブ)第2号様式の就労証明書に加え、事業をしていること・それが保護者本人であることの2点がわかる公的な書類(直近の確定申告書の写し、証明日が直近3か月以内の登記事項証明書、有効期間内の営業許可書の写しなど)
横浜市(保育所等)営業許可証・開業届・登記簿謄本・確定申告書・請負契約書などの客観的な資料を求めることがある

(出典: 港区、練馬区、横浜市)

江東区は2027年度の申込から、自営に当たる保護者で、就労証明書に法人番号の記載がなく自営を証明する書類も出していない場合の調整指数(マイナス4点)を廃止しました。代わりに、証明書類の提出がない場合は求職を理由とした選考になります(出典: 江東区)。自営業の方は、添える書類を締切までにそろえてください。

内定中・育休中でも申し込める?

内定の場合も申し込めます。江東区は2027年度から、就労が内定している場合も就労と同じ指数で扱うと変更しました。内定先に就労証明書を書いてもらえないときの代わりの書類を決めている自治体もあります。

  • 江東区(保育園等): 2027年度から、保育を必要とする就労の要件に「月48時間以上」を新設し、就労内定も就労と同様に指数を付ける扱いに変えた(出典: 江東区)
  • 港区(認可保育園等): 就労証明書が必要な人の区分に「内定者を含む」と明記している(出典: 港区)
  • 練馬区(学童クラブ): 内定しているが区の学童クラブ用の就労証明書を出せない場合は、申立書(第3号様式)と、採用内定通知などの就労予定がわかる書類を出す(出典: 練馬区)

育児休業中の方は、就労証明書の育休に関する欄も確認します。こども家庭庁が2025年度の標準的な様式で追加した項目には、入所が内定した場合に育児休業を短縮できるかどうか、育休を延長できるかどうかがあります(出典: こども家庭庁 事務連絡(2024年7月19日))。復職の予定日とあわせて、勤務先と話しておくと、育休に関する欄をどう書くか決めやすくなります。

自分の自治体の様式と締切はどこで確認する?

住んでいる市区町村の公式サイトで「保育園 入園 申込」「学童クラブ 入会」と探すと、その年度の申込案内と就労証明書の様式がまとまっています。案内は年度ごとに作り直されるため、申込する年度のページかを確かめてください。

保育課や学童クラブの担当窓口の連絡先は、地域別の子育て支援ガイドに載せています。この記事で取り上げた港区・江東区・練馬区・横浜市のほか、東京都・神奈川県の市区町村は子育て支援ガイドの一覧から探せます。入園後に受けられる給付は、児童手当はいくらもらえる?や子ども医療費助成の対象年齢は何歳まで?で整理しています。

勤務先に依頼する前に、次の5点を確かめてください。

  1. 申込先(保育園か学童クラブか)ごとに、指定の様式をダウンロードした
  2. 申込する年度の様式になっている
  3. 発行日の条件(例: 締切日から3か月以内)と締切日を書き出した
  4. 記載要領・記入例を一緒に渡す準備ができている
  5. 自営業・内定の場合に添える書類を確認した

引っ越しを控えている場合は、転入先の自治体の申込案内も確認します。転入・転出の届出の期限は、引っ越しの役所手続きはいつまで?で整理しています。

本記事の内容は、2026年11月3日にこども家庭庁と各自治体の公式サイトで確認した情報です。申込期間・様式・必要書類は年度によって変わるため、申し込む前に住んでいる市区町村の公式サイトで最新の案内を確認してください。